精神疾患全般の知識の必要性

精神科研修4,5年を終えた精神科医と学会などで話していて、「精神疾患全般の知識をもって、どのような疾患にも最低限の対応ができているのか」と気になることがある。あまり真面目に勉強してない医師はどうしようもないが、熱心な医師の中に、早期に、興味のある領域の研修に時間をかけ過ぎたり、臨床研究を含む研究に入り過ぎたり、少ない研修場所で少数の指導医の偏った考えに影響され過ぎたりして、精神疾患全般を理解して治療にあたることができなくなっている者がいるのではないか。「ある精神疾患の治療に当たるにはその疾患以外の知識が不可欠である」という考え方が軽んじられているのかもしれない。

医師の求人広告と精神科医の義務教育

メールで送られてくる医療ニュースに医師の求人情報をみることが多くなった。研修医の早い時期から求人広告をもとに就職する医師が増えているし、給料がよく勤務も厳しくない病院を探して若い時期からその病院に勤め続ける医師も多い。他の領域もそうかもしれないが、少なくとも精神科では、研修といえる期間中に、義務教育として様々な疾患の患者さんの治療にあたり、多くの先輩、後輩医師と議論を重ねることが不可欠と思う。現状が進むと医師間で臨床能力に大きな開きが出るし、一人の医師の中でも得意分野と不得意分野で差が大きくなる。精神科では、医師の中に、「不勉強な分野もそれなりのことはできる」という楽観的な思い込みが生じやすいという問題もある。今後、臨床の義務教育が不十分な医師が増えれば、「患者さんが医師を選ばないといけない」という状況が強まるであろう。かといって、昔の医局制度がよかったとは思わないので、専門医制度などを介して新しいシステムを作る必要がある。
プロフィール

Miyaoka Hitoshi, MD., PhD.

Author:Miyaoka Hitoshi, MD., PhD.
北里大学医学部精神科
http://kitasatomiyaoka.web.fc2.com/index.html
http://www.facebook.com/profile.php?id=100002255894818

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR